【メキシコ市】炭酸入りなど甘い清涼飲料をめぐる健康論争が、長年コカ・コーラの牙城となっているメキシコにも波及した。ニューヨーク市のブルームバーグ市長は大型サイズの炭酸飲料販売を規制しようとしたが、裁判所の差し止め命令を受けて話題を呼んだ。
今年夏、メキシコ市ではバス、サインボード、そして地下鉄のプラットホームなど至る所にある広告が出された。約20オンスの炭酸飲料のそばにスプーン山 盛り12杯分の砂糖を置いた写真のある広告は「あなたは砂糖12杯分を食べますか?なぜ炭酸飲料を飲むのですか?」と問い掛けている。
この広告キャンペーンは、それほど盛んでなかったメキシコの炭酸飲料消費抑制運動に火をつけた。
米国と同様、メキシコは肥満に密接に関係した糖尿病の蔓延(まんえん)に悩まされている。
国連報告によると、メキシコは最近、世界の人口1億人以上の国で米国を抜いて「最も肥満な国」になっている。
メキシコの最新の全国健康調査では、体重過剰ないし肥満となっているメキシコの20歳以上の成人は10人のうち7人。また糖尿病患者は推定1000万人で、人口の約9%を占めている。これは人口1億人以上の国の中では最大の比率だという。
メキシコでは、米飲料大手コカ・コーラが膨大な資金的、文化的な影響力を持っているが、一部の活動家、政治家、そして健康管理関係者が突然、清涼飲料、とりわけコーラを悪玉に挙げ出した。
メキシコ教育省は、学校の売店では炭酸飲料を売らないようコンセッションオペレーター(認可業者)に勧告した。こうした売店で炭酸飲料が人気があるのは、多くの地域社会できれいな飲料水が入手困難という事情もある。
一方、メキシコの消費者保護当局はコカ・コーラが最近出した一連の広告について罰金を検討している。この広告は、犬の散歩ないし笑うことなど日常の活動によって炭酸飲料の149カロリーが燃焼されるとした内容だ。
消費者保護運動家は、広告で示された小さな瓶を、もっと大きな瓶と混同する恐れがあると主張している。規制当局も、広告で指摘されている日常活動が実際にそれほど多くのカロリーを燃焼するか疑わしいと懸念を表明した。
これに対し、コカ・コーラのメキシコ子会社の広報担当者は、同社製品はすべて「健康的であり、活動的な生活スタイルと併せて、正しいダイエットに組み込 める」と強調した。担当者によれば、低カロリー製品、あるいはボトル詰めの水といったノンカロリー製品はメキシコにおける同社製品ブランド群の約40%近 くを占めている。
コカ・コーラ・メキシコ子会社のフランシスコ・クレスポ社長も、広告を弁護した。
同社長は7月、「われわれは顧客に対する透明性を維持しており、われわれの飲料製品について、明確で、信頼でき、完全な情報を提供している。彼ら顧客も情報に基づいた決定を下せる」と強調した。
しかし、炭酸飲料への規制を求める勢力との対決は、コカ・コーラやその他の清涼飲料メーカーにとって大きな影響をもたらす可能性がある。ユーロモニター・インターナショナルによれば、メキシコは1人当たり炭酸飲料の消費量で米国に次いで多い。
昨年、中南米はコカ・コーラにとって利益面で欧州に次いで第2の地域だった。
炭酸飲料は、メキシコ家庭の主力飲料になっており、一部の家庭は食事の際には必ずこれを飲む。メキシコでは糖尿病は心臓病に次いで第2位の死因となっており、1980年の9位から大幅に上昇している。
スプーン12杯分の砂糖の広告に資金拠出した公共利益団体「エル・ポデル・デル・コンスミドール」のカルビリョ事務局長は「メキシコの田舎では、誰かの 家を訪問した際、その家にコーラがないと、家人がこれを詫びるほどだ。コカ・コーラはプレスティージの象徴だ」と述べた。同団体には、慈善活動のためのブ ルームバーグ氏の組織も資金を拠出している。
ウォール・ストリート・ジャーナル 8月30日(金)13時22分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130830-00000119-wsj-bus_all
今年夏、メキシコ市ではバス、サインボード、そして地下鉄のプラットホームなど至る所にある広告が出された。約20オンスの炭酸飲料のそばにスプーン山 盛り12杯分の砂糖を置いた写真のある広告は「あなたは砂糖12杯分を食べますか?なぜ炭酸飲料を飲むのですか?」と問い掛けている。
この広告キャンペーンは、それほど盛んでなかったメキシコの炭酸飲料消費抑制運動に火をつけた。
米国と同様、メキシコは肥満に密接に関係した糖尿病の蔓延(まんえん)に悩まされている。
国連報告によると、メキシコは最近、世界の人口1億人以上の国で米国を抜いて「最も肥満な国」になっている。
メキシコの最新の全国健康調査では、体重過剰ないし肥満となっているメキシコの20歳以上の成人は10人のうち7人。また糖尿病患者は推定1000万人で、人口の約9%を占めている。これは人口1億人以上の国の中では最大の比率だという。
メキシコでは、米飲料大手コカ・コーラが膨大な資金的、文化的な影響力を持っているが、一部の活動家、政治家、そして健康管理関係者が突然、清涼飲料、とりわけコーラを悪玉に挙げ出した。
メキシコ教育省は、学校の売店では炭酸飲料を売らないようコンセッションオペレーター(認可業者)に勧告した。こうした売店で炭酸飲料が人気があるのは、多くの地域社会できれいな飲料水が入手困難という事情もある。
一方、メキシコの消費者保護当局はコカ・コーラが最近出した一連の広告について罰金を検討している。この広告は、犬の散歩ないし笑うことなど日常の活動によって炭酸飲料の149カロリーが燃焼されるとした内容だ。
消費者保護運動家は、広告で示された小さな瓶を、もっと大きな瓶と混同する恐れがあると主張している。規制当局も、広告で指摘されている日常活動が実際にそれほど多くのカロリーを燃焼するか疑わしいと懸念を表明した。
これに対し、コカ・コーラのメキシコ子会社の広報担当者は、同社製品はすべて「健康的であり、活動的な生活スタイルと併せて、正しいダイエットに組み込 める」と強調した。担当者によれば、低カロリー製品、あるいはボトル詰めの水といったノンカロリー製品はメキシコにおける同社製品ブランド群の約40%近 くを占めている。
コカ・コーラ・メキシコ子会社のフランシスコ・クレスポ社長も、広告を弁護した。
同社長は7月、「われわれは顧客に対する透明性を維持しており、われわれの飲料製品について、明確で、信頼でき、完全な情報を提供している。彼ら顧客も情報に基づいた決定を下せる」と強調した。
しかし、炭酸飲料への規制を求める勢力との対決は、コカ・コーラやその他の清涼飲料メーカーにとって大きな影響をもたらす可能性がある。ユーロモニター・インターナショナルによれば、メキシコは1人当たり炭酸飲料の消費量で米国に次いで多い。
昨年、中南米はコカ・コーラにとって利益面で欧州に次いで第2の地域だった。
炭酸飲料は、メキシコ家庭の主力飲料になっており、一部の家庭は食事の際には必ずこれを飲む。メキシコでは糖尿病は心臓病に次いで第2位の死因となっており、1980年の9位から大幅に上昇している。
スプーン12杯分の砂糖の広告に資金拠出した公共利益団体「エル・ポデル・デル・コンスミドール」のカルビリョ事務局長は「メキシコの田舎では、誰かの 家を訪問した際、その家にコーラがないと、家人がこれを詫びるほどだ。コカ・コーラはプレスティージの象徴だ」と述べた。同団体には、慈善活動のためのブ ルームバーグ氏の組織も資金を拠出している。
ウォール・ストリート・ジャーナル 8月30日(金)13時22分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130830-00000119-wsj-bus_all